黒猫系男子

本当は寂しがり屋のそんなあたし黒猫ですもの

映画ロブスター感想

 

今回はこのロブスターという映画の感想です。

この映画の設定は、今年見た映画の中でも

未見性が強く、自分には思いつきもかすりも

しない、とてつもない衝撃を受けました。

はじめにこの映画の軽い設定を紹介します。

 

ジャンル SF恋愛

 

時代は近未来、独身の者が罪として

収容所に収容されるという世界です。

ホテルを模した収容所で45日間の間に

人生のパートナーを探さなければなりません。

パートナーを見つけれなかった者は

強制的に希望する動物に変えられてしまう。

 

毎日の狩りと呼ばれる

森に銃を持って出向く時間に

人を殺した数だけ、ホテルの滞在日数が増えるという設定です。

 

設定を聞いただけで、とてつもなく面白い

作品だと感じませんか?

実際は、これだけの設定を、思いついたにも

関わらずなぜ面白くないんだ!!

と叫びたくなるような

あまりにも酷すぎる内容です。

これは後で、なぜ面白くないのか書きます。

 

このロブスターというタイトルは

映画を見るまで意味がわからないのが

勿体無いと思ったので先に書きます。

 

主人公がもし動物にされるなら

何になりたいと代表から聞かれた時に

ロブスターと答えます。

なぜロブスターなのかと聞かれて

主人公は答えます。

 

海が好きだから

寿命が長いから

生殖能力が高いから

生物として位が高いから

 

これは主人公の自己実現のメタファーでは

ないかと思いました。

 

それでは、何をどうしたらこの設定から

面白くなくせるのか書きたいと思います。

ネタバレを含みます。

 

 

タイトル前後

女が馬を殺すシーンが最初にあります

殺す意味もわからないし

本編に関わりがない

不要なシーンです。

最後まで見ても理由がわかりません。

ただの異常者です

 

セットアップ

そして主人公や世界観のセットアップが始まります。

主人公は妻の浮気で別れることになります

詳しいことは説明されていません

そして収容所の迎えのバスが来ます。

 

この世界は独り者が罪とされています。

迎えのバスは死の宣告のような物です

しかし主人公は抵抗も叫びもせず

黙ってついていきます。

この話全体に言えることですが

リアリティが欠如しています。

最初主人公は新しいパートナーが欲しくて

自分から進んで婚活に行ったのかと

思いました。

それくらい最初の説明がありません。

本編を見て最後の方で、この世界が

独身の者が警察に職務質問されて

捕まる世界だと初めてわかります。

 

この映画のセットアップ10分は

前半を見ているだけでは不自然に感じません

主人公が収容されている場所とルール

それが自然に説明され何の映画かわかります。

最後まで見ると、この世界で独身が罪とされる

という設定が突然出てくるので

そこでなぜセットアップに含まないのか

混乱することになります。

 

リアリティの欠如部分

この映画のおもしろくない理由の大半は

リアリティの欠如です。

セットアップで必要な情報が説明しきれていません。

収容所もホテルなので収容感がなく

独身が罪ということも前半では理解できません。

生活制限は厳しいですが

ホテルで暮らしているので

収容感はかなり低くなっています。

斬新ではあります。

思い返せば刑務所っぽい部分も各所にあります。

 

このホテルは独身者の収容所です。

警備やセキュリティは厳重であるべきです。

しかし、このホテルのセキュリティは低いです。

絶対にありえません

各人物は狩りの時間のために銃を持っています

団体で反乱されればひとたまりもありません

ホテルのスタッフは銃も携帯せず

ホテル内に兵隊もいません

収容者だけが銃を持つ環境であなたは働けますか?

収容者は出たい人も少なくないと思います

期限が過ぎれば実質殺されてしまうのですから。

そんな人たちの手元には銃があるんです。

私なら働けない、もしくは銃は絶対携帯です。

 

しかもこのホテル

夜の警備も薄く

なんの手間もなく主人公が脱走します。

犯罪者を収容する施設でこれはありえませんよね。

収容者全員がなぜか従順に従い

不満を持つ人がいないのも不自然です。

 

この映画の設定、動物に変えられるという部分

冷静に考えて、どうやって変えるのか

気になりませんか?

ここにこそリアリティが宿るとさえ

言える部分ですが

説明がほとんどありません

皮を剥いで臓器を移植するような

収容者間での会話がありますが

 

哺乳類系なら、まだぎりぎり納得できなくも

ないですが、それ以外ならもう無理ですよね。

哺乳類ですら無理やり納得

しなければならないのに

 

この動物変換が納得できる設定であれば

この映画の評価も違ったかもしれません。

物語を作る上で、話によっては

世界を一つまるごと創造する必要があります。

話の内容が複雑になればなるほど

世界を精密に設定しなければなりません。

 

この映画の狩の時間という物

本編で、なぜホテル側が

狩を必要としているのか

誰を殺しているのか説明されていません。

生存できる日を延長できるという

必要なものではありますが

映画として必要なものになっているだけ

に感じます。

 

リアリティの欠如を数えればきりがありません

作り物だと思えてしまったら映画は

ほとんどの場合終わりなんじゃないかと思います。

 

この映画の終わりでなぜか

主人公が自分の目をトイレで

ナイフで刺そうとして終わりますが

もう意味がわかりません

盲目の女性と同伴していることから

考察することはできます。

女性と同じように盲目なろうとする

にしてもファミレスのトイレで

行うのも異常ですし

 

盲目の女性のために自分の目を

片方あげようとしているにしても

ファミレスのトイレはないですよね

 

他の理由だとしたらもっと

異常だと思います。

ナイフで目を刺そうとして終わっているので

実は刺さなかったという選択肢は

あると思いますが

なんにせよ、この終わり方は

脚本的に良いとは言えません。

この記事ではだめな部分を主に取りあげています

改善がしたければだめな部分を見て

真似をしないという使い方をしてもらえたらと思います。

 

この盲目の女性、本編で近眼を治す

とか言って病院で本人の許可もなく

普通の堅気の医者に失明させられるという

むちゃくちゃな用意のされ方をしています。

 

これだけ誘引の強い未見性のある設定を

擁しているにも関わらず

こんなにも酷い映画にできるなんて

私は驚いています。

そのことが少しでも伝わって貰えたら幸いです。

 

良い映画も紹介する機会があると思うので

映画が好きな方はそちらも

見ていただけたらと思います。