黒猫系男子

本当は寂しがり屋のそんなあたし黒猫ですもの

もののけ姫 感想

 

生まれて初めてもののけ姫を見たので、感想を書きます

脚本術と物語構造などが中心です。

個人的なもので、目的は自身の勉強のための

アウトプットの一環です。

構成は

①基本的なカバレッジに触れる

②良いところ悪いところ

③自分が修正するなら

カバレッジなどは読み飛ばしても差し支えないです

 

 

 

 

ログ・ライン

映画で一言で表せられる、あらすじのようなものです。

 

アシタカがたたり神を殺した時の呪いを解くために

西に向かう

 

①主人公のゴール内と外

自身の呪いを解く

共生

 

②プロットポイント1

右手のあざの影響でアシタカが超人的な力を発揮する

(村にたたり神が襲撃するという部分でもよかったかもしれません)

 

 

③プロットポイント2

しし神が殺される

(別のところでいいかもしれません)

 

④ミッドポイント

人のイノシシに対する挑発が始まる

(もっと後でよかったかもしれません)

 

 

良かった所

 

三幕構成の第一幕に当たる、誘引に成功してる。

この誘引に成功していない作品もあります。

最初の10分以内でセットアップが完了しない作品などです

誘引に失敗すれば見るのをその時点でやめる人もいます。

私もそういうタイプです

 

未見性が強い

誘引の、たたり神の時点から観客の目を引く

ビジュアル的面白さが物語に一貫してちりばめられている

 

背景が綺麗

何年も後に、映画が発達した時代で

ぱっと見て綺麗だったので時を感じずに楽しめました

緑の瑞々しさというのも

物語に合っていました

 

 

 

 

悪かった所

 

テーマが一環していなく、わかりにくい

最初から提示されていない。

主人公に共感できない。

感情の種類が少ない。

葛藤が少ない。

キャラクターに求めるものがない

もしくは提示が甘い。

しし神の行動と感情に一貫性がない。

 

 

自分が内容を修正するのであれば

初めに、しし神を二分します

生と死それぞれの役割に分けます。

村の襲撃で死を司る神を出し、怪我をさせて撤退させます

たたり神の代役です。

その後本来の物語通り、呪いを解くために西に向かいます。

その過程で死を司る神がある場所では

豊穣の神のように扱われるのを表現します

初期の頃から共生というテーマを散りばめるためです。

例え死の神でさえ、ある者には大切な者である。

と、共生の片鱗を見せます。

小さな葛藤を生みます

神を二分していない場合

しし神が首をとられ怒り狂い、その後に生命を育むという

行動に一貫性が見られなかったからです。

二つの役割をもたせている意味が感じられません。

生命を奪うのか、生命を育むのか

行動を決定するルールすら提示されていません。

ルールが示されていなければ

行動の理由がよくわかりません。

終盤での周りの生命を飲み込んだり、少しだけ緑を育んだりと

急な展開に驚きます

神を二分することでテーマが物語全体を一貫して通ることになります。

 

 

 

 ②

終盤での生命を育むシーンでは

死んだ全ての動物と人を蘇生させます。

世界の変容とハッピーエンドを強調します。

ハッピーエンドにも関わらず

失われた生命が余りに多すぎるからです

少しの生命の育みだけでは、終盤の怒涛の流血と死

のイメージを払拭できません。

自分であればこうします

 

 

③ 

人間同士のドラマを極力削ります。

共生がテーマなので、それに関わらない人と人との関係は

物語に関係しないだけではなく、テーマを揺るがします。

物語の焦点を絞るためです。

 

④ 

物語の中盤以降でアシタカの行動が受動的すぎるので

自らの意思に基づいて、何をすれば良いのか理解していることを

提示した上で行動させます。

受動的な主人公と何をすれば良いのかわかっていない

もしくは提示の甘いキャラクターは一般的に

主人公にふさわしくないとされています。

 

 

⑤ 

主人公を物語を通して成長させる

意図的に成長させていないとされる作品ですが

物語を通してあまりに変わらなさすぎます

そこそこの出来事が起きて

自分と価値観の違う国に赴いて、何も変わらない

というのは疑問に感じます

物語を見ただけでは

なぜ、変わらないのか

変わってはいけない必要性というのがわかりません。

必要性が物語で提示されていないのであれば

主人公はハリウッドの脚本術に則り

成長するべきです。

 

⑥ 

アシタカをサンのことをもっと好きにさせます

一目惚れさせます。

アシタカが危険をおかしてまで

能動的に行動する理由の提示が甘いからです。

仮にサンのことが好きだと繰り返し提示するのであれば

それは主人公の原始的な欲求となり

自ら危険の中に飛び込む行動に納得ができます。

アシタカはサンのことを好きだと思いますが

感情をもっと強調させます。

この作品では感情の起伏がほとんど見られません

名作ではジャンル問わず様々な感情が見受けられます

 

 

 

 

サンとアシタカの性格を両極性にします

二人とも感情がなさすぎます

サンは山犬と生活しているので

感情が乏しい必要性があっても構いません

アシタカの感情が乏しい必要性は感じません

それに二人とも感情が乏しいのであれば

キャラが被るので良い印象は受けません

 

 

 

 

 

自分が修正するのであれば、という内容です

作家にはそれぞれ違った考え方があり

どれが正解ということはありません

個人的に気になったところを書いたに過ぎません

ただの感想だと割り切っていだだければ幸いです。

 

 

 

 

 

長い文を最後まで読んでいただきありがとうございます。

映画の感想については今度も不定期に

構造中心に話せればと思います。

 

 

脚本術や映画、或いは物語構造に興味のある方の目に

止まっていただければ幸いです。

 

黒猫